2009年5月17日日曜日

玉露グランクリュ 後味1時間…



その玉露は

舌の、口の中の粘膜の 全ての部分を
旨味で愛撫しながら、

帰り道のドライブをうっとりさせる程、
1時間くらいなのか、...

 後味と香りで その知らなかった世界へ誘ってくれてしまいました。

それはね…

最近 よく野菜をもらいに行く 京田辺市ですが、

たけのこが美味しいと、紹介してもらって、

(山、土地がいいんだと思います。ウマかった)

たくさん 使わせてもらった山下さんから、

はちく が ありますよ と連絡もらって 取りに行ってきました。


そのご主人  山下寿一 さんは、

玉露の日本一の名人といわれる、 現代の名工、

天皇皇后両陛下に 玉露の手揉みから お茶を披露されるような方で、

今は その玉露の最盛期で忙しくされてます。


のにもかかわらず、
たまらんいい香りがするので、..

せっかくなのでちょっと見させてもらってました。笑


手で揉むことによって アクをきるんだそうですよ。

多分 茶のエネルギーに 心地良い交わりの光線が、 

山下さんの手から出てるんでしょうねえ。

名人と云われる人のそばにいくと、

その気持ちよさが伝わって来るようで
もうどうしようもないですね…。

そしたら おもむろに 山下さんが玉露を入れて下さったので、


いただきまーす。

と ...!   これが! ヤバい!!

粒子の異様に細かな、
甘味を超えた旨味の膨らみで、 口の中が悦楽状態に。


髪の毛の逆立つ表現がよくありますが、

まさにそんな 香りの立ちのぼりでした。

その香りや 感触は

胃に至る 食道からも 立ちのぼってきます。

「なんじゃこりゃ、ワインみたい! すごい旨味と 後味ですねえ」 と云うと、

「スープや って言う人もいたなあ。
これをな、  茶漬けで出してくれる人おれへんかなあって…」

「それって 贅沢な雑炊みたい…
お米の粒だちが良さそうですね」

「そやねん、 タンニンのせいか 米が引き締まりよって それがまたウマいねん!」

....でしょうねえ。

「ただ まあ 贅沢で高価な茶漬けやわな  笑」

ということでしたが、

でも アンビエンスも整えてあって、

この気持ちよさを表現した料理を出す 高級割烹の料理人の方なんて、

いらっしゃるでしょうねえ〜!と思います。

ともあれ なんだか お茶のド素人な僕ですが、

知らずに ブルゴーニュで
ラ ターシュか ロマネかを ホイっと飲ませてもらった ようなそんな感じでした。(想像)

インドから 最高の紅茶園の領主さんが勉強に来たり、

天皇陛下がお土産された玉露に
ビックリしたヨーロッパの人が取材に来たりするそうですが、

今日この 玉露というものの旨味に 驚いたのでした。

あの 口での膨らみと、 アフターの長さ。

とにかく たけのこ積んで、
帰り道の1時間は 

山下さんのワクワクと玉露のスウィートグリーンワールドが 

上半身から抜けませんでした。


食は、人と素材のいのちの芸術。