2011年7月31日日曜日

あるがまんまの全方位



行かないはずの友達の葬儀に、
5ヶ月ぶりのスタッフが突然店に現れて、
私は行くことになりました。

はず、は未定。

遺骨帰って夕方の彼のスタジオ、下町。

親しんだ空気から聴こえてくる音。

光を楽しむ影。

景色の奥にその満ち満ちてる音。

影の奥にある音の輝き。

楽しさが改めて今 伝わってきてました。



2011年7月29日金曜日

お誕生日と親しい友人の死


今日の夕方はスタッフの歩美ちゃんの誕生日祝いでした。

店では口数少なく、黙って根性だすタイプの、笑

若き22歳のお祝いでした。

実家の長野のお父さんからは、手作りのケーキが…!
みんなで料理つくってワイワイ。

場づくりのあと、


突然急死した作曲家の親友宅に急ぎました。

ひとつだったか年下で、
今はそのなんとも暖かい音楽で人気です。

夜になって帰ってきたもうそこにはいないはずの
重い彼の身体を部屋へ。


そっと布団に寝かせるとき、
微笑んでいるように見えました。

彼は情が厚くて、繊細で、
本当に周りの友達を安心させる、
ホッとさせるのが大好きなそんな人でした。


そして彼の音楽で解放感や

自由を感じた人はものすごく沢山いると思います。

そんな彼に見えた微笑みは、
瞬間、自分の心の奥底に同時に微笑むものでしたし、


また、その彼の光のプリズムといえる、
彼のこの世界で人として表現した音楽を思いおこせば、
正直、なんだか涙がとまらない。

真面目に僕なんかの創作を喚起しようとしてくれてたことも思い出されるし、

強情になったり、おどけたりしながら、

廻りの人をサポートしようと一生懸命な人だった。

そんな彼の死をみながら、
つくづく層のようないのちの中心にある

それは永遠で無限の光のようなものから、
その人となりといえるような、人の味わいのような層となる、

バームクーヘンのようなものを感じていました。

そのどこにフォーカスして、
これは自分だ、とも云えるし思えるし。

でもその中心の光に誘ってくれるいのちのあり方、

というか、抽象的ではありますが、

その彼の人としての存在に、
今日は本当に感謝を繰り返しました。


明日はお通夜で音楽喪。

九州や北海道にいる音楽の友達が京都へ来ます。

彼の死を通して、
自分達の普段の生活から、
表現から、今ここにあること総てが、
なんと素晴らしいのかと、
思わざるを得ません。

ありがとうございます。


2011年7月25日月曜日

静かな音

誰もいない厨房で仕込みを始める、その時、

静かに並ぶステンレスの厨房機器や食器をスッと眺め、

よろしくお願いしまーす、と
挨拶をする。


みんなから、非常に豊かな交流を感じる。

音にならないような音というのか、

お互いの存在の静かなヨロコビのような、
とてもありがたいものだ。


日中はそれを忘れていることが多く、

よほど外からの様々な出来事に目を向けているのだろうな。

感情の起伏も多く、
それはごもっともな私的判断から来るのだけれど、

本当にそれが必要なのかどうか問いながら生活していると、

今 にもったいない 事が多い。


今もっと豊かに集中できることはありまっせと。

ほら、結果的にあなたの懸案もよくなりまっせと、
ふと同時にわからせてもらう事が多い。


厨房にたつことになったのは、
そんな瞑想?へのいざないだったのかも知れないなぁ。

なんて。


2011年7月23日土曜日

おばんざいの


台風などもあり、静かな今週でしたね。

最近だる満のおばんざいですが、

さばの煮付け。

瀬戸内の美味しい鯖が、
ご飯やビールにぴったりな
こっくり爽やかな鯖煮に。

お好きな方は週末はお早めに。



薄色に仕上げたなんでもないこの筑前煮が、
なんとも暑い日に優しい一品、

あっさりしっかり、
こんにゃくや蓮根、にんじんの素材の薫りに
優しくそえたお出汁のスッとしたハーモニーと食感、

夏バージョンになってます。

福田さん自慢の有機茄子、

日替わりで登場の今日はゴマ味噌風。


2011年7月15日金曜日

春ちゃんより


昨日は臨時休業で失礼いたしました。

一昨日、近年では天ぷらの春ちゃんで親しんでもらった、
逝ったのが一昨日の朝です。
脳梗塞で倒れて数年ですが、
突然でした。

身寄りなく僕がキーパーソンでした。

一昨日からブログを書きながら途中寝たのかアップ出来てなかったので、
以下そうです。


春ちゃんのお通夜から帰ってきました。

皆さんのお話の御供えのお陰で花一杯でした。
ありがとうございます。


春ちゃんは、のべ40年弱という長いあいだ、
だる満の厨房を支えてきてくれた方です。

84歳でした。


小さい頃から番頭はんのような春ちゃんに、
僕は育ててもらいました。

春ちゃんとしての人生はいろいろあって、

最初30年間はずっとヨシムラさんでした。
訳あって偽名だったのです。

詳しいことはまた。


偽名…、 うーんなんとも、Gメン75というか、
太陽にほえろというか、

ある意味昭和なカラーの一面を活かしきったような…
そんな個立際立つ、ならではの人生だったかもしれません。

そんな林春子という人生の単行本を、スッと閉じられたようです。

だる満をほんっとに!献身的に支えてくれた春ちゃん、

また春ちゃんのお世話になった無数のご縁、

書くべきことは沢山あるのですが、

今は感じたことだけ率直に書きますが、

今回の死は、春ちゃんからいろいろ教わりました。

病院から血圧が下がったと連絡あって、

すぐに駆けつけたんですが、

ベッド覗いて、「なぁんだ、大丈夫じゃん、」って声を出してしまいました。

でも実はその時もう息がなかったのです。

そのくらいホッとする感じだったのです。雰囲気が。
僕も天然ですね…


ひとまず僕の両親には店に帰ってもらい、

葬儀社の連絡やら区役所の連絡やらして、


迎えのクルマを待ってる間、
春ちゃんの横で一人すわってる十数分がありました。

本音ではなにか静かに楽しい気分しか沸いてきませんでした。
安心がありました。

一応思考では、春ちゃんは安心してるかな?なんて思うことが、
あまりにちっぽけでそこにエネルギーを使うというか、
ウソっぽ過ぎてフォーカスする気にもなりませんでした。

そうしたらなにか、ういういしいような、
色でいうとピンク色のような丸いエネルギーに包まれたような感じがしました。

春ちゃん?、なんだ、。
そんな数秒感でしょうか、
なんかすごく沢山の事をお話したような気がします。

普段人間のいのちについて問うてることをシェアしてもらったような気がしました。

今日は春ちゃんに教わりました。

春ちゃんであって春ちゃんではないというか、
そういう執着はありません。

ピュアな春ちゃん由来のたましいの存在といえばいいのか。
本当の自分寄りの存在。

「そうですよ、安心してくださいよ」という感じがしました。


死語の、いろんな話をきいたりもしますが、

今、今生を振り返って反省している春ちゃんもいるかもだし、
大安心の春ちゃんもいる。
でも実はそんな層のようでもあり、
パラレルのようでもある意識に
まさに映写機のようにエネルギーを使ってフォーカスを合わせて、

それぞれの主体が観ているそのまま事実となっている。

当人もそれに意識をむける他人もね。

そこは本当のいのちはひとつなのですからと。

自分、人、どのような個をどのようにとらえて感じることもできます。

自分は。

そんなことを春ちゃんとシェアさせてもらったような気がしました。

春ちゃんありがとうございます。


あっというまの、逝って24時間後の葬儀

出掛けようとしたら親父が呼ぶので、
行ってみたら店の前の水鉢にスイレンがひとつ咲いていました。


春ちゃんらしく、飾りのない、シンプルで温かく、
愉しいお葬式でしたよ。


真ん中が 春ちゃんです。



2011年7月10日日曜日

一滴再生

えー、はやっ!とかいいながら、
あっというまに無くなって、
冷たいお蕎麦のおつゆをまた仕込む。

沢山食べに来てもらっているのもあるけど、

ずっと厨房でやっていると、
ついやや多目につゆを入れてしまうのは
僕のクセだ。

あと少し、というところで、
最後の味の薄まりのないようにと思ってしまう。


でもその都度味わいの調整や、開き具合を試して、

またお客さんが召し上がるのを観れるのは、
やはり楽しい。

ここは赤ちゃんからおばあさんまで、
来られるので、そこがいい。

今回はキリッとたてせんより、
少し甘みの輪の味よりに。かな。

一期一会の夏の味、ありがとうございます。

2011年7月8日金曜日

今日はお天気




天気が良くて、厨房カウンターから覗く外は
キラッキラに光ってます。
お蕎麦をひき締める氷水も、
冷たい煙があがっています。

ゆであがった瞬間の蕎麦の手触りもいいです。

つまみとっては洲に並べていきます。

ぼーっと、何もしてないとき、在る、を楽しんでるとき、
脊椎に滝が流れていくような、サーっとした恍惚感を、
感じたりしませんか?

最近はたまに仕事中にそれを楽しんでいます。


この暑いのに、結構おばんざいバイキングを楽しみに
来てくださいます。

おかわりもよく出ます。




確かにこの根菜野菜たっぷりのおばんざいって、
夏のスタミナ料理だって最近つくづく思いますね。

蓮根もいい香りしてます。、ってこればっか。笑


さっきも市役所に行ってきました。

今月はちょこちょこ通いです。

景観条例等で、看板なんかも変えてってお話です。

でもエリアのトータルデザイナーがいるわけではありません。

こういうときは、上空エリアからの視点で話をするのがいいですね。

エリアの中のここは、もっとこうしたら面白いんじゃないか? とかね、

規制、違反、そんな話が多いんだと思いますが、
まぁうちもそこからなんですが、

いい空間にしていくアイデアを引き出せあえたら、
そういう風に意識を向けられたらいいなと思うので、

遊び気分で行ってます。

真面目なフリした役所の方と遊びに。 ナンチャッテ。


ハナシカワッテ、代車のシトロエンBXがオモシロイ!

20代にずっと乗っていたんですが、

チープで軽快で、バイクのように景色や風をひっかいて走る、

あてもなくただ走って音と景色と遊んだ当時の感覚そのままになった。

カーステもカセットで、
ひょいと引き出しから取ったテープの
当時の音がまた最高だッタ。

YELLOや、POPGROUPやAMONDULL、GRACEJONES、KMFDM、、

またちょっとドライブしてこよう。







おもちゃみたい。 



2011年7月7日木曜日

お礼の色紙をありがとうございます!

いやー、なんだか色紙にメッセージと写真をつけて、

送ってきていただきました。

この6月に修学旅行でグループで予約して来てくれた人達ですやん、
サンキュー!


5、6月はホントに毎日のように予約して全国の中学生が来てくれました。

喜んでくれるからって、
欠かさず毎日仕込んでいたのが、
鶏もも肉の天ぷら。

これが結構ウケて、
修学旅行から帰ってお母さんから、

「うちの子が好きでいつも作るんですけど、
美味しかったから聞いてくれって、作り方教えてもらえますか?」
って電話ももらった。

って、ほんとにフツーに、
お醤油にお酒と、味醂と、
白胡椒ひいて、たっぷりの生姜をおろして、
1日漬けておくだけ。

あとは米油であげる。

楽しみにして…笑


僕も中学時代の唐揚げとか、あの頃の美味しい口が僕にも残ってます。

菜っぱのたいたんとか、だいっきらいでした!
苦くて。
多分うちのが昔、薄味過ぎてたきすぎて、
苦味ばっかりで、
でも頑固に工夫してくれなくて…笑

嫌でしたが、
最近厨房の福原さんがつくってくれる小松菜の煮浸しが、
しゃっきりして、味の調子も明るくて、
絶対毎日つまみ食いしてます。

あれだったら中学時代からゼッタイ毎日食べてたな。

話トビましたが、

そんなわけで毎日楽しみに仕込んだ鶏の天ぷらを、

修学旅行の方が来たら揚げて、
出していました。

明日どのくらい仕込もかーっいうて、
キャハーとまぁやってたんですね。

請求書も鶏屋さんがキャハー!って云うくらいでしたが。

もちろん総ての中学生にウケてた訳じゃあないですが、

一緒に来たタクシーのドライバーのおっちゃんが、
あれ、ある?ってリピートしてくれてましたね。

で、観てると、

ごぼうの天ぷらや、
揚げ豆腐のチリソースもよかったみたいですね。

不意にこんなお言葉もらうと、
ツクッテルおばちゃん達は、
本当に悦ぶんですよね、

遊んで礼を云われるなんてねぇ。

本当にありがとうございます。

2011年7月1日金曜日

脇役


暑い日はソテーが美味しいですね。

旨味がギュッと詰まって、、

これ、、れんこんをソテーしてますね。


今この新れんこんがとても美味しいと評判。

筑前煮にもたくさん入れて、
サックリと味の滲みたれんこんは、
食感といいとてもいいアクセントになってます。

どうも最近僕もなんだか蓮根が美味しくてたまんない気がする。

そしてこの新蓮根のソテー。

忙しいピーク時に、またジューっとやっています。

固い蓮根を、さらに詰めるように、
オリーブオイルでソテーして、
最後に刻みねぎも落として、
軽く焦がす。

付きっきりじゃないので、
いい感じに香って来たらダッシュで火を止める!


しかしなんともこのジミーな見た目の仕上げ。

この黒いソースはなんとビネガーとオイスターソース。

ちょっと酸っぱいのですね。ここがポイントでしょう。

これがジミに人気あって、
僕もかなり気に入ってお勧めの一品。
つまみ食い3個くらいまでで、
自分にストップかけてます。

ご飯にもあうんですよ。

今年の夏の名脇役。

ルックス的にも。