2009年2月24日火曜日

仕込みの独り言 沸点前のエネルギー

かつをが 湯に 入る タイミングなんですが、

低過ぎたら アクもでませんし、
ボケたような感じだったり
ちょっとモッタリしたりします。

沸いてしまってるところだったら、
かつをもビックリでしょうか?
美味しい酸味じゃない 変な酸っぱい味が 出たりします。

沸点直前から 数十秒でクライマックスへ…
これが旨かったりします。
プロローグに気持ちいい山場あり ですね。
沸点直前のエネルギーです。

あと 蒸らすんですが、

むっくりと 軽い素材がだしの中で
踊るか踊らないか… くらい
うちのコンロだと、消えちゃう寸前の火力ですいつも…

ひいたおだしはツルンとした印象で、
そこに最小限の調味を加えると、
自然な甘味のような旨味がグッとでます。


これが グラグラ沸いちゃう火力だと、雑味が出ます。
それ相応の塩分や調味を与えると、
パンチあるような味にはなりますが、
後に残る味わいは… です。
素材の量も少なくしたり出来ます。

不味い訳ではないですが、
だる満の味とは、ちょっと違ってきます。

そのだしを味わう 場や環境、日によって、

美味しさの基準は違ってきます。

うちは眺める苔庭もないですし、
味が静寂繊細すぎてもダシが活きないし、

パンチやビートはあっても後味荒い、立ち食いの旨さとも、ちょっと違う環境です。

日によってお客様の層も変わりますが、
おそばのお出汁を創るには、
僕にとってちょうど楽しい環境ですね。